奈良県桜井市の山間にたたずむ長谷寺は「花の寺」として有名で、四季を通じて境内から 絶景を楽しむことができる。 なかでも魅力的なのが仁王門から本堂へつづく登廊である。 柱、梁、垂木と組物の単純な構成単位からなるこの建築は、 ある要素単位を反復させる ことで生まれる建築美の典型例といえる。緩やかな勾配で2回の折れ曲がりをはさんで本堂 へいたる間に、四季の草花を楽しむことができる演出も素晴らしい。見てよし、歩いてよし、 といいたいところだが、この階段、蹴上と踏面のバランスが相当悪く、 登りにくいのが唯一 の欠点。が、苦労して登ったあとには、山間に埋もれるように配された境内の建築群の屋根が つくるコンポジションの美しさに 、再度感嘆させられる。
前へトップページ次へ | AO | 2005/2/19