女人高野で知られる室生寺。 平成12年に修復完成した五重塔は室生山中最古の建築で、お寺の案内の表紙も飾る建築である。 軒の出の深い屋根と白壁で囲まれた塔部のプロショーンの美しさは秀逸であるが、その配置もまた 魅力的だ。 金堂から左に折れて現れる階段を登ったさきに配されているのだが、階段下から仰ぎ見る その配置構成は非常に シンボリックだ。しかしながら、周囲の大きな自然に囲まれてひっそりとたたずむ 姿には、奥ゆかしい美しさがある。 そこに建築が単体でオブジェクトとして現れる強さはない。 周囲の環境と呼応して生まれる日本建築の美しさを感じることができる例といえる。
前へトップページ次へ | AO | 2005/3/13