堀口捨己晩年の傑作、八勝館御幸の間を訪れた。 ここでは、建築と庭の巧みな関係を見ることができる。 新緑の季節 庭に花はなく、ただただ緑が広がり、 陽光のなか樹種の異なる様々な緑のレイヤーが 重なり輝く様は圧巻だ。 建築の構成は、深い庇の内側に1間の入側がまわり、 そのなかに16畳の主座敷と10畳の次の間がある。 光は外から内へとか細くなるため、主座敷に座ると 庇に縁取られた光輝く緑が こちらを照らすかのようにみえる。 部屋の南東隅に設えられた濡れ縁は非常に華奢な構造で、木々の間を 浮かんでいるかのようで、 スツールに腰掛ければ、木々の葉に近いところで庭の緑につつまれている感をつよく受ける。 内と外が浸透しあう空間をそこにみることができる。
前へトップページ次へ | AO | 2005/5/21