東京国立博物館法隆寺宝物館について 前回ふれた2作品と比して極めて構成的な建築。 丸亀の美術館からMOMAまで谷口の造形言語の代表格といえる庇状の門型と、 縦ルーバーに包まれたガラスボックス、ライムストーンの展示室ヴォリューム、 この3つの要素で プラン、エレベーションを構成している 3つの要素がズレるところがポイントで、 そこに半外部的な開放性のある空間が生まれる。 エントランスホール、3階ホール、資料室、 ラウンジといった機能が配される。 つまり、鑑賞の始点と終点の空間がそれにあたる。 展示空間として必要とされるホワイトボックスとは対照的な空間を始点と終点にはいして 美術館でのシークエンスをつくっている。 MOMAにおいてみられる内と外が干渉しあう空間を展示空間の間、間にはさむ構成は この手法の延長線上にあるといえる。 もう一つの見所は光の扱いである。 エントランスホールでは、前面の池から反射した光が床をなめるように照らし 、 上部のガラスボックス屋根からもライムストーンの壁面をつたって光が降り注ぐ。 雨が降っていたがなんともやさしい光に包まれていた。 ANDO建築に見られるような、明暗を強調した、 刺すような鋭い光とはまた全く種類の違う光だ。 ルーバーや天井のガラスクロスによる微妙な光の制御が このやさしい光をつくっているのではないかと思った。 この光と素材の関係から谷口の静謐で凛とした空間が生まれるように思った。
前へトップページ次へ | AO | 2005/11/26