東京でいくつかの建築を見る機会に恵まれた。
まずは、TOD'S(伊東豊雄)
ケヤキをイメージした構造体がプロジェクト時から注目を集めた建築。
写真でみたところ、コンクリートの構造体の量感が大きすぎる印象を持っていたが、
現地で見てみるとさほど重たくなく、多角形のデザインからか総体としてシャープな印象だった。
ケヤキの構造体は柱というより壁に孔が砕かれたものと捉えた方が理解しやすいように思う。
ディテールについても、そのコンセプトに忠実にサッシをみせていない(内観)。
ただ、ファサードについては、ガラスを受ける耐風ガラスリブが唯一デザインされていなかった。
外観上は気にならないが、内部からはうっとうしく感じる。
内部については、階段まわりが見せ場だった。
階段は登る方向が踊り場を介して角度をふって登っていく構成で、
階段の間、周囲にできる不整形な残部に多面体のガラスをはめ込み、
これがファサードの不整形な開口部と共鳴しあうようだった。
動線も、その階段を建物の手前と奥に配して、空間を楽しみながら店内を巡れる。
部分的ではあるが、外皮と内部が干渉しあう空間をつくっているのが、パッケージ建築とは異なる点だった。
続いて、hh style.com /casa (安藤忠雄)
エントランス脇の足元が内に倒れた大きな三角形の壁面の下から空を見上げたときの空の切り取られ方に
この建築の価値が凝縮しているように思った。
これもskinのデザインを主題とした建築である。
外壁の鉄板にはディテールがなく、接合部を全て溶接としている。
最近の伊東豊雄のことばを借りれば「シームレス」な建築となっているわけだ。
一般的な軒の納まりはなく、防水も鉄板でことたりる。船みたいなものだ。
おまけに構造も兼ねているのだから、外皮にこの建築の全てがあるといって間違いない思う。
内部については、外皮が構造体となることで、大きなワンルーム空間となっている。
大きなヴォリュームを多面体の壁面で包む構成だ。
内皮については、フレームと面材であるデッキプレートの構成が美しい。
いくつかの面がぶつかりあう部分も見えがかり上線の少ないシンプルな納まりとなっているのは、
さすがANDO建築といったところだった。
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| AO | 2005/11/10