神戸北野町には初期安藤建築の商業施設がいくつかある。 現在のコンクリート打放しではなくレンガをファサードに用いたものがある。 北野坂沿いに二つの切妻屋根が並ぶRIN'S GALLERYはそのひとつだ。 建物の構成は道路に対して直交して二つのヴォリュームを配して、 その周囲に回遊性のある動線をつくっている。奥には小さな広場があり動線の途中にたまりを設ける仕掛けとなている。 街路を敷地の中にもつくろうとしているのがわかる。 後のtime'sなどの商業施設でもみられるが、 周辺環境を敷地内部にとりこみ、 街とのかかわりを持とうとする姿勢は、この建築でもすでにみられる。 しかしながら、関り方が多少違うのかもしれない。 北野では街路に対して直接的に建物をひらく構成はとっていない。 RIN'S GALLERYも道路には開口を絞ったレンガの壁面をむけている。 コートハウス型に近いといえるのか、 一度敷地内に誘い込んでから建物を開いていくような構成だ。 たしかに内部は落ち着いた空間となっているが、 街の賑わいという点では、 積極的な効果は期待できないといえるのではないだろうか。
前へトップページ次へ | AO | 2005/12/12