アルヴァ・アールトの自邸を訪ねた。 アールトの建築といえば、「ヒューマンスケール」、「人間的」、「温かさ」 といった言葉で語られることが多い。 訪れてみて素直になるほどと思う。 ひとつは、スケールが良い。 リビングでいえば、遠くに感じない程度の広がりを感じたし、 寝室群はかなりコンパクトだが、狭さを感じない。 これは、寸法のコントロールが素晴らしいことと併せて、 窓の力も大きいように思う。 雲に覆われた薄暗い日だったが、どの部屋の窓も明るかった。 周囲の銀世界のおかげかもしれないが、 窓が気持ちよかったのだ。 位置と大きさ、そして窓廻りの設え。 スタジオのハイサイドライト以外は全て腰窓だ。 窓台の高さに、机がおかれ、また、緑で飾られ、 その窓によりそい、光につつまれる人の姿が浮かんでくる。 ここでの生活は朗らかで明るいもののように思えた。 まさしく、この住居がかつてのアールトの生活を具体的に表象するもので、 それを体感する心踊る経験だった。
前へトップページ次へ | AO | 2006/1/21