丹下健三の代表作の一つ、東京カテドラルを訪ねた。 8枚のHPシェルで構成された、とても美しい建築だ。 教会建築において、光の存在は絶対的なものだろう。 ここでの光も格別に美しかった。 祭壇後ろから差す光は黄金色で、その光の粒子がつたう杉板型枠のコンクリートの粗い曲面の陰影は 鳥肌モノだった。 そこでの光は神々しいというか超越的なかんじがした。 ガラスの光から祭壇に目を移すと、そこに立つ司祭はとてもとても小さく見えた。 おそらく、床以外は壁と天井も見分けのつかない曲面だらけの空間で、距離を測るパースが効かないからだろう。祭壇は二つのシェルの曲面に包まれ、舞台のように見られる関係にありながら、 そこに立つ人間は空間に対して、光に対して卑小な存在にみえた。 人と建築との関係が日常ではありえない、極端に吊り合わないスケール感で現れる。 そんな関係性をつくりだしているところに、この建築の偉大さがあるように思った。
前へトップページ次へ | AO | 2006/2/ 4