鳥獣戯画で有名な高山寺。寺は京都市北部の高雄にあり、都会の喧騒とはかけ離れた山中にある。世界遺産に登録されているものの、紅葉シーズンではない今、また大雨だったせいもあり、寺は貸切状態だった。山の上にあるというロケーションは、それだけでその建物を神々しいものに思わせる。さらに、雨にぬれた緑に囲まれ、眼下の渓谷には霧、もしくは雲の立ち込めた非日常の世界が広がり、張り詰めた空気感を強く感じた。 石水院の広縁は、軒の出も大きく、半外部的な空間となっており、部分的に欄間や菱型の格子戸、腰壁を作ることにより、さらに外部を曖昧に取り込もうとしているのだろう。鳥獣戯画は、4巻まであり、中でも甲巻は、猿、兎、蛙を中心に小動物の遊びたわむれる様を擬人的に描いている。吹きだしのような煙が口から描かれているなど、日本最古のマンガと言えるのではないかと何かで読んだことがある。 鳥獣戯画も含め、高山寺の国宝や重文の多くは、東京や京都などの国立博物館に寄託されている。本来ならば、本物はそこにあるべきものだと思うが、保存の点などから仕方がないのだろう。残念なことである。
前へトップページ次へ | MY | 2006/3/20