京都市北部の円通寺は、比叡山を借景とした庭が美しい。室内からの眺めは、計算しつくされて配置された柱のフレーム越しに、さらに樹木と生垣に囲まれたフレームにより切り取られた比叡山を望むことが出来る。 円通寺に程近い実相院は、室内の磨かれた漆黒の木床に庭の緑が映りこみ、建物の内部まで庭を引き込んでいる。「床みどり」と呼ばれるその風景は、秋には「床もみじ」と呼ばれ真紅の部屋に一変する。 この外部を内部に取り込もうとしたシステムは、逆の見方をすれば内部を外部にしようとしているとも言える。偶然作られたような自然の作る形は、建築のように必然性から作られた形と同じもので、ルールに少々違いがあるだけである。
前へトップページ次へ | MY | 2006/9/25