上野にある西洋美術館を訪れた。コルビュジェによる設計がなされた国内唯一の建物である。 まず第一に、「こういう空間を造りたい」というのを顕著に感じ取ることができた。工法、素材に頼るのではなく(もちろんテクスチャーの検討もされていたが)内部空間のヴォリュームとその構成、そしてそこへ差し込む光を設計しているということを強く思った。特に第一展示室で体感した光の入れ方とそのボリュームには感慨深いものがあった。もうひとつ気になったのは天井高の設定であった。館内の順路にあたる廊下はH2200程度の天井であるのに対し、そこから一歩踏み出すと一気に吹き抜けとなる。その吹き抜け部分に絵画が展示されているのである。低く、すこし圧迫感のある通路から絵画を見ようとはみ出して歩き出すと、絵画から3mほど手前のところで天井が高くなり、絵画がよりいっそう迫力を増して感じる。図面や写真では何度か見ていたが、こういう建築をみて何かを得るには、体感するよりほかにない。
前へトップページ次へ | SF | 2006/11/30