群馬県高崎市にあるアントニン・レーモンド設計の音楽ホール(1961)は、杉板型枠のコンクリート打放し仕上げで、ジグザグに折れ曲がったコンクリート板を連ねた壁と屋根から構成されており、最大スパン60mの大規模なラーメン構造となっている。 前面は一面全てがスチール枠による開口で、ホワイエは天井も高く、内部壁面には、レーモンド氏デザインによるカラフルなフレスコ画も描かれており、開放的なものとなっている。 2階へと続く階段は、有機的で不規則な曲線を描いているものの、2階床の梁横と階段手摺の空きが20㎜程度しかないような、繊細な作りとなっている。 この建物は、コンクリートという材料が、ダイナミックで荒々しく力強いものでもあり、繊細で流麗なものにも成り得るという両極性を内包していることを、如実に現している。
前へトップページ次へ | MY | 2006/11/21