先日の東京滞在で図らずも二つの教会、東京カテドラル(1964年丹下健三)と聖アンセルモ目黒教会(1954年レーモンド)を訪れた。同じビルディングタイプにも関わらずその場所から受ける感覚は逆のものだった。前者は緊張、後者は安らぎである。建物を取り巻く諸条件(時代、社会的背景、施主、宗派、求められた機能)が全く異なる故、単純に両者を比べることは意味をなさないのだが、敢えてその感覚の違いの所以を考えてみた。 第一にスケールと形態から受ける印象で、これが感覚に与える大部分であることは明白。 第二に光の質の違い、正確に言うならば光を受ける面の違いである。 両者ともコンクリート打放しなのだが、シェル構造を際立たせるために出来る限り滑らかに摩擦力のない表面を追求しているカテドラルに対し、目黒教会は杉板型枠による凹凸の激しい、表情を持った表面である。 表面の違いがダイレクトに光の質の違いにつながっている。 コルビュジェの言葉「建築とは、光の下に集められたヴォリュームの巧みな、正確な、壮麗な戯れである」が思い出された。
前へトップページ次へ | YA | 2006/11/20