東福寺

紅葉の森の上を渡る天通橋で有名な東福寺。その広大な寺の中の1つにある方丈庭には、作庭家重森三玲の手がけた庭が幾つもある。北斗七星の形に配された円柱石の並ぶ中庭は、ロの字に囲われた建物に切り取られ、苔の敷き詰められる緑の空に浮かび、光がまたたくような効果を得ている。白い枯山水の石庭には、石塔が幾つも立ち、冬の低い太陽の光を受け、渦巻く石海や、横たわる岩々に影を落し、みるみる姿を変える。さらに回遊廊下からの点観の動きにより、複雑な動きを見せる。また、市松模様に敷き詰められた正方形の平石が幾何学的に並ぶ庭は、成長した苔に覆われ、それらが水の中に沈んでいくようでもあり、また浮かんでは消えて行く泡のようでもある。本で見ていた、一見落ち着きのあるそれらの風景は、実は空間的、時間的に変化に富んだ、動きのある空間であった。
前へトップページ次へ | MY | 2006/12/26