ル・コルビュジェ

ル・コルビュジェ全集のなかでサヴォア邸は2度登場する。 volume1での1928年の計画時と volume2での1931年の完成時の2回。 1928年の計画時には ピロティにもちあげられた白い直方体、 水平連続窓、屋上庭園、プラン中央のスロープ、光庭 といった主要なコンセプトは計画済みだ。 異なるのは諸室の並びかた、階段、3階の部屋の有無程度だ。 ただ、1928年の計画のほうがコンセプトに忠実だといえる。 とくに2階の平面についてはスロープを中心に、諸室と光庭及びテラスが外周に並べられ、 それらが水平窓から外と接続する。 1928年の計画は中心に配されたスロープの効果を最大に活かしたプランで、 完成時のプランはその点であいまいだともいえる。 だが、完成したプランで唯一外周に面さない青いタイルの浴室はトップライトからの光によって 極めて魅力的な空間になっており、この住宅がもつ多様な光の印象の大きな構成要素となっている。 建築の5原則をとなえ、建築の型をつくろうとする一方で、 あいまいさを許容し、それを昇華していく。 そんなところにコルビュジェの偉大さがあるように思う。
前へトップページ次へ | AO | 2007/7/11