パッチギ

映画「パッチギ」において、お棺を家から運び出すときに、玄関が狭すぎて通せず、玄関の壁を潰すシーンが出てくる。
思えば、私の田舎の実家では仏間の前庭に通路がつくってあり、祖父がお棺に入った時には、皆でその通路を通って送り出した。
昔の家では、お棺を運び出すルートがあらかじめ想定されていたのだ。
現代においては、住宅雑誌などを見ていても、そもそも仏壇自体が無いことが多い。
多くの場合、病院で亡くなり、斎場で葬式をあげるからであろうか。
しかし、自分の家からお棺を運び出すことの重さは、他には替えがたいように思う。
現代の生活スタイルは、人の生き死にについての様々なことがらを、病院などに譲り渡してしまった感があるが、
それらを譲り渡した結果として、現代住宅の多くは、自由になったと同時に、ある種の重みを失ったように思う。
前へトップページ次へ | TT | 2007/8/11