南方熊楠

南方熊楠に興味を持ち、人類学者・中沢新一著「森のバロック」という本を読んでいる。南方曼荼羅(これはちょっと理解するのが困難であるが)の思想の重要な部分を形成するものとして「心」「物」「事」があり、「事」は「心」と「物」が交わるところに生まれる。その解説の中で面白い一節があったので記したい。
『例えば建築というものも「事」である。建築家は自分の頭の中に生まれた非物質的なプランを土や木やセメントや鉄を使って現実化しようとする。建築物そのものは「物」だけれども、それは「心界」でおこる想像や夢のような出来事を実現すべく作りだされた。つまりそれは1つの「事」として、「心」と「物」があいまじわる境界面のようなところに現れてくる現象に他ならないことになる。(中略)建築と言う行為そのものが、幾重にも重ねあわされた「事」の連鎖として、出来上がっていることが分かる』
前へトップページ次へ | YA | 2007/11/12