ヒエロニムス・ボス

ヒエロニムス・ボスという画家がいる。
中世の画家で、当時、キリスト教の力が強い中、異端的なニュアンスを含む絵画をかきながらも、権力者に愛され、多数の作品を残した画家である。

時代柄、やはりキリスト教に関わる絵画が多いのであるが、一般的な中世の宗教画とは随分趣が異なる。
天国や地獄の風景を描いたものも多数あるが、その中には、見たこともない祭り(?)に興じる人々や、奇怪な化け物が描かれている。
あまりに日常とかけはなれているために、それが天国や地獄を描いたものであること自体、すぐには私には認識できなかった。
洛中洛外図やブリューゲルの一連の作品のように、上空から見下ろす視点で、多数の人やものをいっぺんに描いていることが多く、混沌とした構図である。
一般的な宗教画の多くは、特定の聖人などがピックアップされて描かれることが多いように思うが、ボスの場合はそういう絵はあまり見られない。

突出してイマジネーション豊かな作品群は、思わず長時間眺めてしまう。幻惑的な画家である。

前へトップページ次へ | TT | 2008/1/19