建物の寿命について

一般的に建築物の寿命は、30年弱であるとのこと。住宅に置き換えるならば、多くの人は、人生の中で最低2回は引っ越すことになる。
自分はというと、大学の下宿生活なども含めて、既に5回引っ越している。
周りの人に聞いてみると、父親の転勤などにより、数回の引越しを経験している人が結構な割合になる。
住宅の寿命をまっとうするほども安定した生活を送っていない人がかなりいるのである。

多くの住宅雑誌では、自分の生活や趣味にフィットした家を建てるためのノウハウをあれこれと紹介し、個性的な家が紹介されるが、上記の現実を考えると、そうやってがんばって建てた家を売ることになるケースもかなりあると想像する。
最近は高齢者対応マンションが人気であると聞くが、それもまた、住み慣れた家を離れることを意味する。

一方、不動産屋では、新築、あるいは築浅の物件が人気であると聞く。
となると、ある程度古くなり、住み手がいなくなった建物は、取り壊し、建て直したほうが売れることになる。

日本の建物の寿命が短いのは、建物の物理的問題よりもむしろ、そういった社会事情による部分が大きいのではないか。
スクラップアンドビルドの問題は、建物の建て方、リサイクルなどによってもある程度変えていけるだろうが、古いものを愛せる文化、古いものを使い続けられる社会が創られなければ、根本的な解決にはならないだろう。

前へトップページ次へ | TT | 2008/2/16