視覚について

メルロポンティの本で、上下が反転する眼鏡をかける実験が紹介されている。
その眼鏡をかけると当然、はじめは動くこともままならない。
ところが、数日もすると慣れてくる。
驚くべきことに、上下反転で動くコツを覚えるのではなく、上下関係が「正しい」と、あるいは「自然である」と認識されるようになっていくのだそうだ。
視覚のほうが反転されても、脳のほうがやりやすいように勝手に調整するらしい。
いま見えている像は、眼というセンサーから得た刺激を、脳が理解しやすいようにレイアウトしなおしたものであり、別のレイアウトをすれば、全く別の世界が構築されうるのである。
そこには、本当に正しい見え方などは存在しないことを示している。

前へトップページ次へ | TT | 2008/2/ 2