絵をかくことについて

奈良芸術短期大学による、フレスコ画展を訪れた。
彼らは描くだけでなく、絵の具をつくる過程も学んでいると紹介されていた。

思えば、絵の具が商売になる以前は、画家たちは自分で絵の具を作っていたはずである。
どんな鉱物や植物から、どんな色をつくることができるのか。また、それらはどこにあるのか。
そういったことを知り尽くしていたはずであり、よい色を手に入れるために、遠くに出かけたりもしていただろう。
さらには、色ののり易いカンバスの作り方や、使いやすい筆の作り方なども知っていたはずである。
自然に存在する様々な材料から鮮やかな色を抽出し、宗教画などへと変えていくさまは魔法のようであったろう。
できあがる絵の美しさもさることながら、濁った材料から純粋な色を抽出する過程が、既にある種の神聖さを帯びて感じられる。

私は中世の絵画の楽しみ方をわからずにいたのであるが、この展覧会のおかげで、自分なりの楽しみ方を見つけることができた。

前へトップページ次へ | TT | 2008/5/17