オーストラリアの建築について

ギャラリー間にて、グレン・マーカット展が開かれる。
オーストラリアの風土に根ざした、サスティナブルな建築を実践する建築家である。
2002年にプリツカー賞を受賞してから6年も経っているにもかかわらず、日本には彼の情報が充分に入ってきているとは言い難い。
日本での展覧会は初であるらしい。

オーストラリアには、彼を中心に、独特の建築を設計する一派がある。
自然材料を素直に使い、シンプルでありながら、合目的的な建築をつくる。
建築の各要素を、それぞれの目的に応じた「機能」として把握し、配置するやりかたなど、機能主義的なものの捉え方をする一方で、それぞれの機能を満たす要素は、機能では割り切れない、感情が込められたかたちをしてもいる。
そういったあり方から、たびたびアメリカの「ケーススタディハウス」などと比較されることもある。
しかし、「ケーススタディハウス」が目指した生活のあり方とオーストラリアのそれとは、時代も場所も違うため、目指すものもまた違うようである。

彼らの作品集は一様に少ない。
日本においては、GAが定期的に作品を単発で取り上げているくらいで、まとまった作品集や、彼らの理念を紹介する書籍は日本語訳ではまだよいものが無いと言える。
この展覧会にあわせて、グレン・マーカットについては、しっかりした作品集が出版されるようだ。
これを機に、他の建築家も含め、オーストラリアの建築全般がもっと紹介されるようになることを期待している。

前へトップページ次へ | TT | 2008/5/24