制度について

決まりごとだけでできている場所がある。
倉庫を利用したギャラリーなどに見られるが、要するに、ほぼ全く手を入れていないのに機能している場所である。
以前訪れたクラブ(?)は、人がぎっしり集まって踊っていたが、内装自体は引っ越した直後の空家ような殺風景なもので、昼間に見たら目も当てられないようなものであった。
とりあえずといった感じでつくられたカウンターに、それなりの数の酒があり、あとは大音量で音楽が鳴り、照明がチカチカしているのであった。
「踊って酒を飲んで異性と出会う」のが目的の場所であり、それを満たすだけであれば、確かに大した設備は必要ないのである。

 

このことは、ほかの多くのビルディングタイプにも言えることで、住宅もオフィスも、べつに倉庫でも構わない。
「そこで特定のことを行なう」と、決まりごとをつくってしまえば成立するのである。
病院などは、その決まりごとの達成のために高度な設備が必要であるため、あてはまらないのであるが、店舗などは、野ざらしであっても、フリーマーケットとして充分成立している。

 

人の活動を制御するのに必要なのは、制度であって、建築は、そのお手伝いをしているに過ぎないとも言えそうである。

前へトップページ次へ | TT | 2008/7/ 5