ひらがなやカタカナは、漢字を単純化した文字である。
そのため、文字のかたちに、単純化の過程、歴史が埋め込まれている。
例えばひらがなの「あ」などは、音を表わすだけの記号としてはあまりにも複雑な形をしており、
また、筆の動きのダイナミズムが色濃く残っている。それは「安」からの名残である。
印刷用の「フォント」が生み出され、全ての文字は正方形のグリッドの中に押し込められたが、それでもなお、筆の痕跡は残っている。
漢字からひらがなへ、さらには「フォント」へ。千年以上の歴史を経て、いまだに残っているという事実から、
「筆の痕跡」は日本の文字をかたちづくる、本質的な要素のひとつであるとわかる。
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