先日、初めて茶室の露地を歩く機会を得た。
話には聞いていたが、驚くほど作為に満ちた、密度の高い空間であった。
その作為のかなめに、飛石があると感じた。
飛石は、歩くスピードを制御するだけでなく、歩くコースを制御している。
そのため、庭を歩く人がどこを通るのか、どこから庭を見るのかがかなり正確にわかる。
そのことが、密度の高い演出を可能にしている。
場所によっては、通路の幅は80cm程度にまで細くなり、私の顔のすぐ横を葉先が、すぐ頭上を枝がかすめていく。
通常であれば、「目に刺さりそう」「頭をぶつけそう」と感じるところであるが、
そんな感じはまったく無く、むしろその枝葉を味わいながら歩を進めることができる。
足元の飛び石が小さいことにより、歩くコースが10cm内外の正確さで制御されているからである。
同時に、植物に使い方にも驚かされた。
見た目の美しさだけでなく、視線や陽射しのコントロールの役割を担わされており、多重の目的を満たして存在している。
庭とは、自然の要素が強く、ある程度おおらかにつくるしかないものと思っていたが、維持管理を充分に行なえば、
かなり神経質につくりこむこともできるのだと学んだ。
(c) copyright SUGA ARCHITECTS OFFICE CO.LTD. all rights reserved.