より厳格な重心

堀部安嗣氏は、益子アトリエの出身者である。
益子義弘氏の「重心」の考え方は、彼にも受け継がれているようであるが、益子氏が緩やかな空間を構成するのとは対照的に、堀部氏は幾何学的な厳格さを住宅に採りこむ。
時にそれは、正方形や正多角形の平面プランを持つ住宅に結実されたりもする。
意識の上での重心と、幾何学的な重心が一致したとき、そこは強い重心となる。
それは心地良さを生み出すと同時に、そこから離れられないという、ある種の拘束を生み出しもする。
円があれば、人は必ずその中心を意識してしまう。
三角形があれば、その角を人は必ず意識してしまう。
そういった、人間が共通して持っている感覚を利用し、重心を強固なものにする姿勢が垣間見える。

前へトップページ次へ | TT | 2008/8/30