ディーナー&ディーナーの建築

「都市へ仕掛ける建築 ディーナー&ディーナーの試み」展を訪れた。

日本では今までに、それほど大きく紹介されてこなかった設計事務所である。
街並みと一体化し、一般の建物とともに風景の一部になる建物をつくることが彼らの基本姿勢である。
工業地域のような、離散的で繋がりの感じ難い、美しいとも言い難い街並みの場合であっても、そのありかたを、その地域の街並みの特徴として肯定し、維持するよう努めるのである。
そのため、彼らの建築は、多くの場合地味なのであるが、丁寧なディテール、寸法の整理などによって、質の高さが感じられる。

街にある建築物のうち、90%以上は、ランドマークであるべきではないし、提案性が高い必要もない。
ランドマークが美しく輝く背景には、地となる、背景としての建築物が必要なのだ。
彼らはその「地」の部分のレベルを地道に上げようとしているように見える。

現状の街並みは美しいとは言えないかもしれない。しかし、住民たちは、その環境でも、確実に幸せになることはできる。
ならば、この環境も捨てたものではない。否定するのではなく、少しずつ、良さを伸ばしていけばよいではないか。
そんな声が聞こえる展覧会であった。

前へトップページ次へ | TT | 2009/2/21