9lives

「9lives」という映画がある。邦題では「美しい人」であるが、
人生を垣間見せる9つのエピソードを、それぞれ1ショットで撮ったオムニバス作品であるので「9lives」と呼ぶ方がしっくり来る。
この「1ショット」という撮影方法が、おもしろかった。
映像の基本的な文法としては、遠景から近景、人物へと、状況を説明しながらつないでいくのが基本であると思うが、
1ショットの場合、そうはならない。説明的な、鳥瞰的な視点は基本的に無い。
われわれ視聴者は、役者と同じ目線に立って、囲まれながら環境を把握していくのである。

役者の見せる振る舞いが、その場所が馴染み深い場所であることなどの情報を補強する。
役者が何かをするたびに、その場所がどんな場所であるのか、どんな状況であるのか、様々な情報が紡ぎ出される。
モノ自体にも意味はあるかもしれないが、それ以上に、モノとモノ、モノとヒトなどの関係に大きな意味があるのだと、改めて感じさせられる。

前へトップページ次へ | TT | 2009/5/30