紙屋

街を歩いていて、紙屋をみつけた。
店内の壁面がすべて引き出しになっており、紙が収納されている。
店の中には閲覧用のテーブルが置かれており、紙のサンプル帳が置かれているのみである。
客は、サンプル帳から好きな紙を選び、各引き出しにたどり着く仕掛けである。
目次を読んで、好きなページを開く本のように、店自体が目次と中身にわかれているのである。
紙をショーケースに入れて飾るわけにもいかず、また、おびただしい種類の紙をすべて展示するわけにもいかず、結果としてこのようなつくりになったのであろう。
引き出しばかりが均質に並ぶ店内は無愛想とも言えるが、その中に眠っているであろう様々な質感の紙を想像すると、楽しい気持ちになってくる。
「見せない」ことが、マイナスになっていない。
そんなあり方もあるのかと、新鮮であった。
前へトップページ次へ | TT | 2009/6/27