鳥の絵

猪熊弦一郎は晩年、鳥をモチーフにした絵を残している。
画面いっぱいにいろいろな鳥が描かれた絵がある。
前からみたのや、横から見たの、後ろから見たの、
羽ばたこうとしているのもいるし、頭だけ描かれた鳥もいる。
鳥たちは無秩序に画面を埋め尽くしているのだが、
重ねられた色彩が全体を秩序付けているように思う。
濃淡の紫が支配的だが、そのなかに黄と赤と緑が散りばめられて、
いずれの色も書きなぐられたような跡が画面にリズムを与えている。
見るときによって、悲しそうにみえたり、にぎやかにみえたり、
見え方がかわる不思議な絵である。
神戸+設計事務所

前へトップページ次へ | AO | 2010/12/ 8