慈光院書院

慈光院書院は、岡本太郎が『日本の伝統』にも取り上げた書院造りの名作だ。
茅葺きの農家風のぼってりした外観とは対照的に内部は幾何学的でモダンな建築だ。
東と南に縁が巡り、、低い軒の水平線に風景が切り取られる。
書院の奥からは、東の遠景と南の庭の近景を一望でき、
遮るものは何もなく、黒い影となった細い柱がリズミカルに空間を分節する。
刈込まれたさつきの緑の水平のヴォリュームと、軒と縁の水平線、ただの影として映る柱の鉛

直線からなる幾何学的な構成は、庭園の丸い大刈込みと絶妙なコントラストを成している。
岡本太郎が、これらの構成のなかで、その向こうにある松林を、全体の幾何学構成を不明

瞭にする異物としたのは至極合点のいくもので、美に対する厳格な観察眼にぞっとする。
神戸+設計事務所

前へトップページ次へ | AO | 2011/12/28