筑紫の丘斎場

揖保郡太子町にある筑紫の丘斎場(遠藤修平建築研究所)を訪れた。
斎場とは、故人との別れの場である一方、あの世へ玄関口ともいえる。故人が天国で安らかに眠れよう、誰しもが思い祈る場所である。そうした儀式の場においては、空間の質が要求される。斎場のエントランスは天井高2m程度の低く伸びた庇を目印である。大きく湾曲した通路は石を基調としたしっとりとした質感をしていて、薄暗い。奥から差し込む光が光沢のある壁のタイルを照らし、奥になにがあるのかとの期待感を膨らまさせる。通路の半ばで一端外にでる。そこは告別室の前庭だ。暗い通路とは一転して明るく開放的な空間である。そして、また、低く伸びた庇をくぐり告別室へ入る。告別室は故人との別れの場として、おもく緊張感のある空間である。その奥にある炉前ホールへと進む。天井の木ルーバーの隙間から光がこぼれ、床にある水盤がキラキラ揺れる。炉前の天井は高く、天から光が注いでいるように見える。別れの儀式でおこる感情の変化を、それぞれの空間が呼応していた。
神戸+設計事務所

前へトップページ次へ | SF | 2012/1/26