ジョン・ソーン

ジョン・ソーンは18世紀末から19世紀初頭にイギリスで活躍した建築家だ。
当時は装飾過剰なバロックやロココに対抗して、
ギリシアの単純さを参照した
新古典主義の時代。
新古典主義の特徴はスケールにある。
古典様式を条件に時代の要望に応じて引き伸ばしたような建築で、
パリのパンテオンなどをみても、圧倒的な量塊感が際立つ。
ジョン・ソーンは天井のデザインが有名でもある。
様々なプロポーションのヴォールト、ドーム天井を設計した。
今はもう改修されてしまったイングランド銀行のパースをみても多彩な天井が特徴的だ。
ジョン・ソーンの自邸が美術館となっている。
新古典主義を代表する大英博物館の近くで
同じ時代を生きた建築家がそれぞれ設計した建築が
美術館としていまも残る。
一方は大英帝国の力で世界中から収集したモノが膨大に展示され、
外観も権力を表象する威厳のあるデザインだ。
他方のソーン美術館には
ソーン個人が収集した欠片のような小品から絵画彫刻まで
嗜好を反映したコレクションがところ狭しと並んでいる。
外観は女神像や持ち送りの奇怪な装飾があるものの、
あたりと同じタウンハウスそのものだ。
美術館は改修にあたって資金集め中のようだ。
この美術館の異常な密度の展示もさることながら、
当時の様式におさまりきらない、
独創性を発揮した特異な建築家は、
今もって注目を集めている。
神戸+設計事務所

前へトップページ次へ | AO | 2012/4/25