ブレゲンツ美術館

ピーター・ズントーの設計したブレゲンツ美術館は、1フロアにつき1室の大きな展示室が重箱のように積み重なった、非常にシンプルな構成の建物だ。
多くの美術館は、企画の自由度を上げるために、可動間仕切りを縦横に通せるようにしたり、様々な大きさの部屋を用意したりするのだが、このブレゲンツ美術館は、極端に大きな部屋を数個用意しているのみだ。
天井は全面が光り天井となっており、あたかも、「間仕切り無しで、一室で使ってくれ」と部屋自体が要求しているかのようだ。
これは、絵画作品を多数展示するような、よくある企画には不便だということであり、同時に、大部屋を必要とするような規模の大きい現代美術の企画を、ここでならできるということでもある。
こういう、美術館の将来を左右するような建物のつくりかたを、企画展を中心とする美術館がするには、運営サイドの強い決断力が必要になる。
結果、ブレゲンツ美術館では、外壁自体を作品に使ったり、展示室の床一面に水を張ったりといった、かなり手間のかかりそうな、野心的な作品展示が、今までになされてきた。
ここまで割り切った運営をしている美術館は、日本国内ではあまり見かけない。
建築自体の研ぎ澄まされたシンプルさも素晴らしいが、それに負けない、パワフルな運営をしている美術館も素晴らしい。
六本木設計事務所

前へトップページ次へ | TT | 2014/1/10