建物の劣化

葛西臨海公園の展望台は、谷口吉生事務所の設計による建物だ。
遠目にはサッシ方立に見えるものが、実は無垢の鉄骨柱であるという建物で、一見すると柱が無いかのように見える。非常に透明度が高いと感じさせる建物だ。
この建物は、潮風にさらされる過酷な環境でありながら、充分な管理を受けられていないようで、傷みもひどい。経年劣化がどのように現れるのかを学ぶうえで、勉強になる。天井下地の錆び、漏水の仕方、自動ドアの動きのスムーズさ、清掃のしやすさなど、劣化の仕方から様々なメッセージが見出される。
遠目には、今でも非常に美しい建物だし、近くで見ても、その骨格に宿る理性の鋭さを感じさせる建物だ。
過酷な環境下でのメンテナンスが大変なのもわかるが、もう少しきれいに維持されることを望む。
六本木設計事務所

前へトップページ次へ | TT | 2014/12/19